当院の口腔外科治療
口腔外科は、口腔内の外科処置を専門とする診療科です。主な対応内容は、親知らずの抜歯や口内の小さな怪我や口内炎の治療、顎関節症の治療、口腔腫瘍の診断などです。さらに、交通事故による口腔の外傷や口腔粘膜疾患、神経性疾患の治療も行います。
噛み合わせや顎のバランスは、肩こりや腰痛、頭痛などの身体の不調と密接に関連しているため、口腔外科の治療によって全身の不調が改善することも珍しくありません。ただし、重大な外傷や腫瘍性の病変などの場合には、詳細な検査が必要となります。そのような場合には、専門病院と連携し、紹介を行うこともあります。
顎関節症や親知らずの抜歯、外傷など、口の中や外側、その周辺のトラブルで気になることがあれば、焼津市のやぎ歯科医院までご相談ください。
対応する症状・疾患
- 親知らずの抜歯
- 顎関節症
- 口腔腫瘍の診断
- 口腔内の外傷
- 口腔粘膜の疾患
- 神経性疾患 など
親知らずとは
親知らずは、通常20代前後に生えてくる最も後ろの奥歯です。
上顎の左右に各2本、下顎の左右に各2本の計4本の親知らずがあることが一般的です。しかし、親知らずがない人や4本未満の人も存在します。これは個人の歯の形成や発育の違いによるものです。
親知らずの生え方や位置によって、口腔内での問題や歯列の噛み合わせに影響を及ぼすこともあります。場合によっては、親知らずが正常に生えず、抜歯が必要になることもあるため、親知らずの痛みや噛み合わせの不調などが起きている場合はお早めにご相談ください。
親知らずの腫れや痛みの原因
親知らずは横向きや斜めに生えるケースがほとんどです。一部の親知らずはまっすぐ生えますが、他の歯と比べて位置が奥にあることで清掃が難しいため、きれいに生えていたとしてもむし歯や歯周病になりやすい傾向があります。
また、正常な生え方とは異なる場合、歯磨きはさらに難しくなります。これにより、親知らずの周りで細菌の増殖や炎症が起こり、腫れや痛みが生じることがあります。また、長期間にわたってこの状態が続くと、親知らず周囲の骨組織が吸収される恐れもあるため早期に対処しなければなりません。
親知らずを抜くことによるメリット・デメリット
メリット
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むし歯や歯周病のリスクが減少する
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親知らずの手前の歯の健康を保ちやすくなる
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歯並びや噛み合わせのトラブルを予防できる
デメリット
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親知らずを移植歯として使用できない
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入れ歯の土台として使用できなくなる可能性がある
親知らずを抜くリスク
下顎の場合
下顎の場合、下顎骨の中には感覚神経の束が通っており、親知らずを抜歯する際に神経を圧迫または損傷するリスクがあります。神経に触れた場合、唇や舌の感覚の一時的なマヒが発生する可能性があり、回復には数ヶ月から長期間の時間がかかる場合があるため注意が必要です。当院では、このようなリスクを最小限に抑えるために歯科用CTを使用して神経との位置関係を詳細に確認し、慎重な診断と手術計画の立案に努めております。
上顎の場合
上顎には上顎洞と呼ばれる空洞があります。親知らずの抜歯時には、上顎洞との穿孔(穴があく)リスクがあり、穴があくと空洞に空気が入ったり鼻から水が漏れたりするようになる恐れがあるため細心の注意が必要です。
親知らずの抜歯にかかる時間
親知らずがまっすぐ生えている場合は、処置は比較的短時間で行われ、術後の痛みや腫れも少ない傾向があります。しかし、横向きに生えている場合や完全に埋まっている場合は、歯ぐきを少し切開し、歯や骨を削除して抜歯する必要があるため時間がかかります。
親知らずの抜歯の流れ
1診査・診断
口腔内検査や歯周ポケット検査、X線検査などの画像検査を行います。複雑なケースでは、歯科用CTスキャンが必要です。当院では、いずれの場合でも歯科用CTを使用して状態を把握し、治療の精度と安全性の向上に努めております。
2抜歯
抜歯は通常、局部麻酔下で行われます。当院では安全かつ確実な抜歯を行うために、先進的な抜歯器具を使用しています。歯の生え方や状態に応じて、器具を使い分けます。
3消毒・抜糸
抜歯後、通常は翌日にご来院いただき抜歯した穴の確認と消毒を行います。歯ぐきを切開した場合は10~14日後に再び来院いただき、抜糸が必要になることもあります。抜歯の内容によっては、穴がふさがるまでに数ヶ月かかります。
注意事項
術後の痛み
抜歯後、麻酔が切れた日は痛みが強くなります。しかし、翌日以降2〜3日かけて徐々に痛みが軽減していきます。もし痛みが長引く場合は一度ご相談ください。
腫れ
抜歯後、2〜3日後に腫れが現れることがあります。その後、1週間ほどかけて徐々に腫れが引いていきます。稀に、内出血によるあざが頬に現れることもありますが、通常は1週間から10日程度で自然に消えていきます。
親知らずが移植に使える可能性があります
歯を失ったところに親知らずを移植できるケースがあります。移植する歯には「歯根膜」と呼ばれる組織が存在し、適切に移植することで元々存在した歯と同じように機能を発揮します。
ただし、歯周病による抜歯の場合、歯周組織が大きく変化していることで移植が困難なケースが多い傾向があります。また、時間が経過してからの移植では、骨の大幅な切削が必要になるケースもあるなど、必ずしも移植が可能とは限りません。親知らずを移植できる可能性について詳しくご説明いたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。